腕時計の電池交換をする前の基礎知識と注意点

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目次

基礎知識

裏蓋の形状

代表的な腕時計の裏蓋の形状です。他にも何種類かありますが、まず電池交換したい時計の裏蓋の形状を確認してから使用できる工具を買うようにして下さい。

こじ開けタイプ

裏蓋の淵にこじ開け口と呼ばれる切り込みや隙間が作られていて、そこに工具を差し込んだり、こじ開けたりするタイプです。

こじ開け口の位置は、9時側や12時側、6時側など時計によって違います。シチズンの時計は矢印と数字でこじ開け口の位置を表示しているものもあります。

の部分がこじ開け口です。裏ぶたとケースの間に隙間がありここにこじ開けを差し込んで開けます。

スクリューバックタイプ

裏蓋自体がネジになっており、裏蓋の溝に工具を引っ掛けて回し開けます。ネジになっているため、ほとんどの場合が裏蓋の刻印(文字)等が斜めになってしまいます。

スクリューバックではこの形状のものが一番多いですが、裏蓋と溝が付いている部分が別パーツになっていて、裏蓋は回らず、淵に付いたリングで裏ぶたを押さえているタイプや

裏蓋に丸い穴が開いていて、その穴に工具を入れて回すタイプなどもあります。同じスクリューバックタイプでも裏蓋の形状によって専用の工具が必要な場合があります。

ネジタイプ

裏蓋がマイナスやプラスのネジでケースに止められているタイプです。工具が手に入りやすく、電池交換しやすいかもしれません。

G-SHOCKなどに多く見られるタイプです。G-SHOCKの電池交換方法はコチラ

SWATCHタイプ

コインで回せる裏蓋のタイプです。

SWATCHによくあるタイプです。一番簡単に電池交換できます。SWATCHの電池交換方法はコチラ

不明なもの

見た目はスクリューバックでもこじ開けタイプ(スクリューバック風にしてある)のものがあります。

見分け方としては、

裏ぶたの淵にこじ開け口が付いていないか?

見た目がスクリューバックタイプでも、こじ開け口が付いている場合は確実にこじ開けタイプです。

裏蓋の刻印(文字)が時計本体に対し垂直か斜めか?

裏蓋がスクリューバックであればほとんどの場合、閉めた時に刻印は斜めになってしまいます。それがきちんと垂直になっている場合はこじ開けタイプの可能性もあります。

裏蓋の溝が浅い。

工具を引っ掛けるための溝が異常に浅い。そもそもスクリューバック風のため、そこまで作り込む必要がないので溝も浅く作られている場合があります。

スクリューバックか、こじ開けタイプかわからない場合は購入した店やメーカーに確認してみるか、時計店等に持ち込んで下さい。

スクリューバックをこじ開けで無理に開けようとするとネジ山を潰してしまい回らなく無く可能もあり、こじ開けタイプを無理に回してしまうと巻真(リューズの真)を折ってしまう可能性もあります。

工具

こじ開け

こじ開けタイプの裏蓋を開ける時に使用します。

個人的にはこのタイプが一番使いやすい気がします。写真のものはほぼ使用してませんが、ずっと使用しているものは先端を磨いてメンテナンスしながら10年以上使えてます。

こちらもこじ開けです。

このタイプと同じ形状のものが100均の工具でも販売されています。

こじ開けには他にも形状の違うものが何種類かあります。

スクリューバックオープナー

スクリューバックタイプの裏蓋を開ける時に使用します。

使い方は100均の工具と同じですが、こちらの方が力を入れて回せます。

先端をスクリューバックの裏蓋の溝に引っ掛けて開けます。

他にも裏蓋の形状に合わせて先端部を交換できるものもあります。
明工舎や BERGEONなどの工具メーカーのものは非常に高いです。たまにしか使わないのであればできるだけ安いものを買われた方がいいですが、

あまり作りの良くないものを使用して時計に傷をつけてしまったり、すぐに壊れて使えなくなるようなものは買わないよう気をつけて下さい。

工具メーカーのものは高いですが、替え先なども売られていて長く使えるのも事実です。良く使う工具だけは作りの良いものを持っておいてもいいかもしれません。

ケース保持機

スクリューバックタイプの裏蓋を開ける時に時計を固定するために使用します。

スクリューバックの場合、通常はこの保持機で動かないように固定し両手を使ってオープナーで裏ぶたを開けます。

保持できる時計は限られてきますが、もう少し簡単な構造のものもあります。

ドライバー

裏蓋のネジや、電池を押さえているパーツのネジを回すために使用します。

工具メーカーのものは使いやすいですが、高いのでとりあえずは100均のドライバーセットでもいいと思います。

バネ棒外し

ベルトを外すために使用します。

裏蓋を開けるためにベルトを外さないといけないものや、ベルトを外すことで裏蓋が開けやすくなるものがあります。100均のマイナスドライバーでも代用はできます。コチラ

工具セットなども売られていますが、セットのものは一つ一つの工具の作りが良くないものもあります。そのようなセットを買うよりは、作りの良い工具を自分が必要なものだけ揃えていった方がいいと思います。

注意点

止まった原因確認

電池交換をする前に、本当に電池切れで止まっているのか確認して下さい。

リューズが引かれた状態になっていないか?

何かにひっかかってリューズが引かれた状態になっていることがあります。その場合リューズを押し込めば動き出すはずです。

機械式時計ではないか?文字盤にAUTOMATICと書かれていないか?

軽く振ってみたりリューズを回して動き出す場合は、機械式時計です。ゼンマイが巻かれてないだけかもしれません。腕時計を買う前に。-機能、維持費編-

ソーラー時計ではないか?文字盤や裏蓋にSOLARと書かれていないか?

ソーラー時計の場合ただの充電切れかもしれません。腕時計を買う前に。-機能、維持費編-光を十分当ててみて下さい。

針が引っかかっていたりしないか?

衝撃等で針が緩んでガラスの内側に接触して止まったり、インデックス(文字盤の数字やポイントやバー)などが取れてしまい、針に絡まって止まってしまうこともあります。その場合は触らず時計店に相談して下さい。

磁石を使っているものの側に置いていないか?

携帯電話など磁石を使っている電気製品の側に置いてあると磁気の影響で針が止められる場合もあります。この場合は磁気から遠ざけるとほぼ動き出すはずです。

購入後や前回の電池交換から2年以上経って止まった場合は電池切れの可能性が高いです。
製造されてから長年経っている時計で、前回の電池交換から2年以内に止まってしまった時計は電池交換しても同じように早く止まる可能性が高いです。分解掃除が必要な状態になっています。

タイプ別

こじ開けタイプ

こじ開けタイプの場合、開けることができても閉められなくことがよくあります。無理に閉めようとしてガラスを割ってしまったり、裏蓋を変形させてしまいさらに悪い状態になりかねません。

その場合、時計店などに持ち込んでも断られる可能性もあり、時計を使用できなくなる場合もあります。そういった理由で、こじ開けタイプの電池交換を自分でするのは正直お勧めできません。

こじ開け口がベルトを外さないと見えないものや、とても工具を差し込めない場所にあるものもあります。こじ開け口以外の場所にも傷をつけてしまう可能性もあるので、難しそうな場合は諦めて時計店等に持ち込みましょう。

もしすでに裏蓋が閉められなくなって放置している時計がある場合は、このような工具があります。

使い方はコチラ

スクリューバックタイプ

裏蓋の溝に工具を引っ掛け回しますが、きつく閉められてる場合100均で売られている工具だけだと開けることができません、上に書いたような保持機がないと工具を滑らせて怪我をしたり裏蓋に傷をつけてしまう可能性が高いです。

ネジタイプ

長期間使用している時計は汗などでネジが錆びついてしまっている可能性があります。無理に回すとネジ山を潰してしまったり、ネジが折れてしまうこともあります。

ネジが硬く回らない時は無理をせず時計店などに相談してみて下さい。どうしても自分で電池交換したい時は、CRCなどを流し込んでから回してみて下さい

特殊なネジ穴のものはメーカーでしか裏蓋を開けられないようにしているものなので、自分で無理に開けるのはやめて下さい。

不明なもの

上記以外にも裏蓋自体が無く表面(文字盤側)から開けるものなども存在します。裏蓋の開け方がわからない場合は無理をして壊してしまわないうちに時計店などに相談して下さい。