目次
電池交換(工具の使い方)
腕時計の電池交換と言っても電池交換の方法は時計によって様々です。基本的なことのみですが少しでも参考にしていただけたらと思います。
まず、自分で電池交換する際の基礎知識と注意点を読んでから作業して下さい。
こじ開けタイプ
この時計はこじ開け口が5時位置にあり、ベルトが邪魔だったので外してあります。時計に少しでも傷をつけないようセロハンテープをこじ開け口全体に貼ります。
時計をしっかりと持ち、セロハンテープの上からこじ開け口に、できるだけ裏蓋と水平にこじ開けを差し込みます。こじ開けの◯の部分を掌にあて押し込む感じで力を入れます。
差し込むだけでも開くこともありますが、差し込んでも開かない場合は裏蓋を持ち上げる感じで少しこじってみます。
へその位置で両腕を固定して、手の力ではなく腕の力を使う感じで両側から力を込めてこじ開けを差し込めば力も入りやすく、滑らせて怪我をすることも防げると思います。
最初は力加減が難しいと思うので、どの程度の力で開くか徐々に力を加えていってみて下さい。
こちらのこじ開けの場合
写真のように時計を手のひらで包み込むように持ち、こじ開け口にこじ開けを当てます。こちらも傷をつけないようセロハンテープをこじ開け口全体に貼っておいた方が良いでしょう。
その状態でこじ開けと時計を握りしめる感じでこじ開け口にこじ開けを滑り込ませます。それだけで開かなければ裏蓋を持ち上げる感じで少しこじってみて下さい。
裏蓋を開けたところです。このモデルは電池が電池押さえによって固定されていてその電池押さえはネジで固定されています。
電池の大きさが市販のものと同じでも電池交換はしないで下さい。時計が壊れてしまいます。
ゴムパッキンは裏蓋側に付いているものが多いですが、これはケース側に溝がありそこにパッキンが付いています。
もしパッキンが裏蓋に付いていてもくっついているだけの可能性があります。ケース側にパッキン用の溝がないか確認してみて下さい。
まず裏蓋を開けた段階で、どのような構造になっているか(電池の向き、電池の固定方法、パッキンの位置など)よく観察しておいて下さい。
こちらは簡単な構造で、電池もはめ込んでいるだけです。パッキンは裏蓋側に付いていて、ケース側にもパッキン用の溝はありません。
このモデルなら電池を取り出すためにネジを外したりする必要はありませんが、◯の中に小さなパーツが電池の上にかかっているため、パーツを変形させてしまわないよう下側から電池を取り外す必要があります。
電池を外すためピンセットで持ち上げます。その時機械が一緒に浮いてしまわないよう指で押さえながら電池を持ち上げます。機械を押さえる時はコイルを触らないよう気をつけて下さい。
ピンセットは100均のものでもいいですが、とても使いにくいです。ピンセットはいいものを買っておいた方がいいかもしれません。
先端の太さも電池交換に使うならこのくらいがちょうどいいと思います。
裏蓋が閉まらなくなった場合
裏蓋が閉まらなくなった場合は、埃などが入らないよう裏蓋とケースをセロハンテープ等で固定し時計店に持ち込んで下さい。
ただ、裏蓋を閉めてもらうだけでは断られる可能性がありますし、閉めてもらえても電池交換代と同じ金額を請求される可能性もあります。
持ち込める時計店も無く、どうしてもその時計を使用したいという場合はこのような工具を購入して閉める方法もあります。
使用方法は、ガラスに当たらない大きさでケースに合うサイズの駒を下にセットし、裏蓋と同じか少し大き目の駒を上にセットします。
ガラス面を下にして時計を置き、裏蓋を乗せてハンドルを回し閉めます。
スクリューバックタイプ
こちらの工具を使います。真ん中のローラーを回すと先端部のサイズを変えることができ、横のネジで固定できます。
こちら側の先端を裏蓋の溝に引っ掛けて裏蓋を回します。
一般的なスクリューバック(このような形状)の裏蓋に使用できます。
裏蓋の溝にオープナーの先端のサイズを合わせます。サイズを少し大き目にして溝に当て、ローラーを回しサイズを縮めガッチリと固定します。
固定できたらオープナーを裏蓋と水平に保ちながら反時計回りに回します。
電池交換しても動かない時(すぐ止まる時)
新しい電池を入れたのに動かない場合は以下のことを確認して下さい。
リューズが引かれたままになっていないか?
リューズが引かれたままだと時計は動きません(一部例外もあり)リューズを押し込んでみて下さい。
電池の向きは?
ネジは閉められているか?
電池押さえ等がネジで固定されている場合、ネジがきちんと閉められてないと通電せず動きません。ネジが緩んだりしてないか確認して下さい。
端子に汚れが付いてないか?
コイルに傷はついてないか?
上にも書いたようにコイルに少しでも傷をつけてしまうと時計は動きません。もし明らかに傷が付いていた場合は修理に出すしか方法はありません。
電池の電圧は正常か?
交換する時に間違って古い電池を入れたりしていないか?また、電池を入れる時にショートさせてしまってないか?バッテリーチェッカーがあれば電圧を確認して下さい。
電池交換前に時計が止まっていた期間は?
半年〜1年以上止まったままの時計を電池交換しても機械の歯車にさしてある油が固着して歯車が回らないため、動かない場合があります。
この場合も修理に出してオーバーホール(分解掃除)する必要があります。
電池交換しても数日、数ヶ月で止まる時は
電池交換後、数日動いていたが止まった。数ヶ月で止まったなどという場合は機械の油切れの可能性があります。油切れのため、歯車の抵抗が増え電池を早く消耗していると考えられます。
電池が液漏れしていた時なども、液漏れの汚れが歯車に絡んで同じように数日で止まってしまうことがあります。
この場合も修理に出してオーバーホール(分解掃除)する必要があります。